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植物性ミルク:注目すべきトレンドとは

1/5/2022
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※本記事は英語でもご覧頂けます:Trends to Watch in Plant-Based Milk

植物由来の代替食品は食品業界に革命をもたらし、ここ数年で消費者のニーズが急増している。事実、世界の消費者の42%が動物性食品の摂取を制限していると回答しており、メーカーは新製品の開発や製品ラインアップの拡充などでこのニーズの増加に対応しようとしている。特に、植物由来の乳代替品業界は最も変化が大きい分野のひとつであり、2021年には世界の小売売上高が200億米ドルを超え、そのうち180億米ドル近くが植物性ミルクによるものである。

健康と消化:乳製品をやめる理由のトップに

ユーロモニターインターナショナルの『ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:ヘルスアンドニュートリションサーベイ』(2021年)によると、乳製品を取らない食生活を送る人々の主な理由は、健康のためであることがわかった。世界の消費者の42%が「消化器系の健康のため」と回答しており、続いて40%が「健康的に感じられるため」という幅広い理由を挙げている。このように、環境問題や動物愛護などの倫理的な理由を選択した消費者の割合(27%)を大きく上回る結果となっている。

総じて、健康をその主な理由とする人が多い背景には、乳製品は消化が悪く、健康によくないと思われている乳糖が含まれているなど、長年にわたる悪評が消費者に影響を及ぼしていると考えられる。実際、代替ミルク製品で最も人気のある訴求のひとつが「ラクトースフリー(乳糖不使用)」であり、オンラインで販売されている製品の12.2%がこの訴求を有し、「デイリーフリー(乳製品不使用)」であることを掲げる製品の11.3%よりも多くなっている。

欧米が市場の成長を牽引する一方で、アジア太平洋地域では苦戦

代替ミルクは世界的に人気が高まっており、特に絶対成長が著しい欧米諸国市場への注目度は依然として高い。また、消費者一人当たりの支出が多いオーストラレーシアも重要な市場となっている。

一方、アジア太平洋地域の売上は2020年に非常に大きく落ち込み、パンデミック前のレベルにも回復できていない。これは、中国における代替ミルクの不振によるところが大きい。2021年、同国の代替ミルクの小売販売額は55億米ドルとされている。中国市場の大きさを考えれば、同国市場の不振がアジア太平洋地域、延いては世界市場全体の成長に影響を与えていることは明らかだ。

中国市場の落ち込みには、主に2つの理由が考えられる。1つ目は、乳代替品に対する消費者の認識に関係している。同国では、植物性タンパク質は動物性タンパク質ほど栄養価が高くないと思われていることから、パンデミック発生に伴い健康に効果のある製品へのニーズは高まったものの、このカテゴリーにはそこまでのプラス効果をもたらさなかったと考えられる。

2つ目は、旧正月などでの贈答品や集会での食事など、特に大豆以外を由来とする代替ミルクが消費される重要な機会が、2020年はパンデミックのために中断されてしまったためである。2021年になっても社交の機会は完全には回復しておらず、このカテゴリーがパンデミック前の売上(絶対値)に戻る見込みは立っていない。

地域別 代替ミルク市場(小売販売額ベース、百万USD、2018年~2021年)

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台頭するオーツ麦由来製品、そして新しい原料にも商機が

植物性ミルクは急速な成長を遂げているものの、その基盤はまだ小さい。代替ミルクの一人当たりの普及率はすべての地域で牛乳との間に大きな差があるため、植物性ミルクメーカーにとっては、より多くの消費シーンを捉え、今後数年間で確固たる地位を確立する大きなチャンスが到来しているといえるだろう。

地域別 牛乳vs代替ミルク市場(2021年)

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植物性ミルク分野の原料に注目すると、オーツ麦が高い成長を遂げている。オーツ麦の成長の背景には、その優れた持続可能性がある。例えば、アーモンドは生育に大量の水を必要とするため、米国などの市場では、持続可能性が疑問視されている。また、重要な要素である味も、オーツ麦は消費者に好まれるニュートラルな風味を有し、他の植物性ミルクと違ってコーヒーの風味を邪魔しないことから、コーヒー愛好家の間でも重宝されている。さらに、オーツ麦にはプレバイオティクスが含まれており、その健康的な要素も評価されている。

主要市場における代替ミルク製品のタイプ別売上(2019年~2021年)

しかし、新たな原料も次々と登場している。大麦、ひよこ豆、ヒマワリの種、さらにはジャガイモを使ったミルクといった新製品が店頭に並ぶようになってきた。最近では、米国のTake Twoがビール製造元から回収した麦芽粕を使用した初の大麦ミルクを発売したり、スウェーデンのVeg of Lundが市場初のポテトミルク「DUG」を発売するなど、注目度の高い製品が登場している。特に後者は、オーツ麦やアーモンドなどの競合原料に比べて、二酸化炭素排出量や水の使用量、土地の使用量が少なくて済むなど、持続可能性も高い。

植物性ミルクの次の展開は?

活況を呈する植物性ミルクの分野では、クリーンラベル製品の選択肢を増やしたり、牛乳に対抗するべく栄養特性の改善などが進められている。また、Nestlé(ネスレ)が最近発売したエンドウ豆ミルク「Wunda」のように、飲料としてだけでなく、コーヒーに入れたり料理に使ったりなど、乳製品と同じように汎用性のあるものも開発されている。Danone(ダノン)が2022年1月に米国で発売を予定している「Silk Next Milk」と「So Delicious Wondermilk」は、さらにその先を行くかもしれない。両製品は、植物由来成分を使用しつつも、味や口当たりが牛乳に似ており、乳製品のような感覚で利用できると謳っている。

今後の植物性ミルクカテゴリーについては、酵母などの微生物を使って発酵させ、ホエイやカゼインなどの乳成分を正確に再現できる「精密発酵」に注目が集まっている。Perfect Day(パーフェクトデイ)はこの技術領域の先駆者企業のひとつであり、同社の代替ミルクはStarbucks(スターバックス)で試用されている。また、より長期的な今後の技術展望の中には、乳腺細胞を実験室で複製し、ミルクを分泌できるようにする「細胞培養ミルク」がある。こうした技術は、乳製品業界にディスラプションをもたらす可能性を秘めており、今後も注目していく必要があるだろう。

詳細は、ウェビナー「Rise of Plant-Based Eating and Alternative Proteins: Understanding Flexitarians and Growth Trends」(無料)をご覧ください。また、植物性ミルクに関するトレンドや食品業界に関する市場統計データ、定性情報をお探しの方は、こちらまでお問い合わせください。

(翻訳:横山雅子)

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