本記事はユーロモニターインターナショナルのレポート『2021年 世界の消費者トレンドTOP10』を特集するシリーズのひとつです。
新型コロナウイルス(COVID-19)により、世界中の人々が健康と衛生を念頭に置いて生活するようになりました。感染への不安や健康意識の高まりは衛生用品の需要を喚起し、消費者は人との接触を避けるために非接触型ソリューションを選択するようになりました。
「安全至上主義」な消費者ニーズに応える
COVID-19ウイルスは間接的な接触からも感染が広がり、世の中のあらゆるタッチポイントが感染源になり得ることから、消費者の意識はますます高まっています。「安全至上主義」な消費者にとって、効率性と清潔さは今や両立できないものではなく、どちらも欠かせない要素です。
企業は、ロックダウンや政府からの規制に対応し、営業を継続させつつ社員と顧客の安全を守るため、迅速に方向転換する必要がありました。対応が最も早かった業界のひとつがサービス・ファイナンス業界です。食料雑貨店は、混雑した店舗への訪問や人との接触を避けたいという消費者意識に素早く対応し、オンライン購入やロボットを使った配達サービスを始めました。世の中は既にキャッシュレス社会に向けて動き出していましたが、パンデミックによってその流れは更に加速しました。
「安全至上主義」トレンドからの恩恵をとりわけ大きく受けているのが衛生用品です。メーカー企業は新たな衛生基準を満たすべく、高まる健康意識に合わせた付加価値製品を市場に送り出しており、衛生面を重要な製品特徴として優先させたイノベーションの創出に拍車をかけました。
今後、企業は安全対策を強化するとともに、消費者の懸念を安心に変えるようなイノベーションを生み出すことが求められています。企業は優れた衛生機能を製品・サービスに取り入れ、それらの利点を上手く伝えることができれば、「安全至上主義」な消費者を惹きつけることができるでしょう。
今後一年間で勢いを増すと予想される新興トレンドや動きの速いトレンドの詳細については、無料レポート『2021年 世界の消費者トレンドTOP10』(日本語版)をご覧ください。