高タンパク食品・飲料・サプリ市場、2025年に3兆米ドルを突破 ― タンパク質需要は今後も成長
英国の市場調査会社ユーロモニターインターナショナル(以下、当社)は、この度、レポート『高タンパクブームは続くのか ― タンパク質需要の未来を探る (The Age of Proteinmaxxing and the Future of Protein Demand)』を発表しました。
- 高タンパク食品・飲料・サプリメントの2025年の世界小売売上高は3兆米ドルを突破、タンパク質需要は今後も拡大する見通し
- 高齢者、GLP-1薬ユーザー、筋力トレーニング実践者など、継続的なニーズを持つ消費者が今後の需要拡大を支える
- 「次の高ニーズ栄養素」は一つではない、健康ニーズはさらに多様化へ
同レポートによると、高タンパク食品・飲料・サプリメントの2025年の世界小売売上高は3兆米ドルを超えました。また、世界のタンパク質需要は2024年から2029年にかけて11%増加し、以降も力強い成長が続く見通しです。
当社のパッケージ食品部門グローバルインサイトマネージャーであるマシュー・バリーは次のように述べています:
「タンパク質市場では消費者による選別が進んでいる。今後最も高い成長と機会をもたらすのは、高齢者、GLP-1薬ユーザー、筋力トレーニング実践者、新興国市場の消費者など、継続的なニーズを持つ消費者層だろう。」
「高タンパク」が複数業界の成長エンジンに
食品・飲料価格の高騰やサプライチェーン問題への疲れから、従来の主力カテゴリーの多くはウェルネストレンドの追い風を受けにくくなっています。しかし、そのような環境下でもタンパク質は様々な消費財市場における重要なトレンドであり続けています。
食生活やフィットネスなど包括的なウェルネストレンドを意識する消費者の増加、GLP-1薬の登場や関連制度の整備が進んだことで、消費者は「より多くのタンパク質摂取=より健康的」という認識を強く持つようになっています。
現在、タンパク質は食品・飲料の枠を超えて広がっています。消費財分野では、コラーゲンや、ケラチン、ペプチドといった「特定のタンパク質配合」を訴求する製品カテゴリーとして美容・パーソナルケアが最も多くなっています。こうした多様な活用方法は、タンパク質ブームの根幹である「主要な健康トレンドとの高い親和性」を支えています。肌の健康は、タンパク質が提供する多面的な価値の一例です。
量より質が重要に
一方で、高タンパクブームは、家計の引き締めや超加工食品に対する消費者の懐疑的な見方の高まりといった逆風に直面しています。当社が実施した世界消費者調査「ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:ヘルス・アンド・ニュートリッションサーベイ」(21か国、各国約1,000名を対象)によると、食生活の改善を目指す世界の成人の41%が超加工食品の摂取を減らしています。また、2024年、高タンパクの調理済み食品は、通常品と比較して、平均66%高い価格で販売されていました。
バリーは次のように述べています:
「消費者は、ナチュラルで実用性があり、価格に見合う価値があると感じられる限り、タンパク質に対して対価を払い続けるでしょう。一方で、タンパク質訴求だけに依存するブランドは、消費者の目が厳しくなる中で関心を維持することがより難しくなります。」
タンパク質に続く次の高ニーズ栄養素はあるのか
タンパク質に続く次の高ニーズ栄養素を見つけることが難しい理由は、現在のタンパク質の摂取目的が非常に多様だからです。消費者がタンパク質摂取量を増やそうとする理由は、筋肉量を増やすことや、満腹感の維持など、多岐にわたり、消費者それぞれのニーズが異なります。そのため、タンパク質が対応している多くのニーズを満たす単一の栄養素を見つけるのは容易ではありません。タンパク質に続く次の高ニーズ栄養素が見つかり、そのスター栄養素に現在の需要がスライドするということは考えにくく、むしろ、現在のタンパク質摂取の目的がさらに細分化していく可能性が高いでしょう。
次の高ニーズ栄養素として、食物繊維は注目すべき栄養素です。食物繊維は腸内環境の改善を通じて、免疫機能や肌の健康など幅広い健康価値につながります。この多面的な健康訴求ができるという点で、食物繊維は現在のタンパク質に最も近い存在と考えられます。この意味で食物繊維は、タンパク質に続く次の高ニーズ栄養素の一つと考えられますが、食物繊維がそのままタンパク質に取って代わるわけではありません。今後は、消費者の多様なニーズに応じて、それぞれ異なる成分や健康価値が求められるようになると考えられます。
より詳しい事例やデータをお探しの方は、レポート『高タンパクブームは続くのか ― タンパク質需要の未来を探る(The Age of Proteinmaxxing and the Future of Protein Demand)』をご覧いただくか、弊社までお問い合わせください。
– 以上 –
【参考データ】
・2026年2月時点で、高タンパク訴求を行う食品・飲料SKUは世界のオンライン市場で13万7,000件確認された
・今後の世界のタンパク質需要増加に占める先進国市場の寄与は7%にとどまる見込み
・米国では、サプリメントを除く食品・飲料から1人当たり1日102gのタンパク質が購入されている計算となる
企業・組織関係の方のお問い合わせ先:
ユーロモニターインターナショナル 東京オフィス
Tel: 03-3436-2100 info-japan@euromonitor.com
報道関係の方のお問い合わせ先:
ユーロモニターインターナショナル 広報担当
花﨑 真夕(はなざき まゆ)
Tel: 03-3436-2100 mayu.hanazaki@euromonitor.com
ユーロモニターインターナショナルについて
ユーロモニターインターナショナルは、英国ロンドンに本社を置くグローバル市場調査会社です。世界16か国にオフィスを構え、100か国以上に現地アナリストを配置し、企業の皆様が「いつ、どこで、どのようにビジネスを成長させるべきか」という重要な意思決定を行うためのマーケットインテリジェンスを提供しています。
業界の最前線で50年以上にわたり培ってきた専門知識を基盤に、深い人的洞察とAI技術、先進的なアナリティクスを融合。迅速かつ大規模に市場インサイトを提供し、成長機会の創出と変化への的確な対応を支援しています。また、他社が見落としがちな文化的・商習慣上のニュアンスまで捉えます。
210の国・地域および世界の消費者の99.9%をも対象に調査を実施し、クライアントの皆様がグローバル市場を的確に理解し、確信をもって意思決定できるよう支援しています。