
電気自動車(EV)に対する消費者の意識は、市場ごとの現状に大きく左右されます。市場によって異なる要因を理解することが、効果的な市場戦略のカギとなります。
西ヨーロッパやオーストラリアにおいて、EVを敬遠する最大の理由は「価格の高さ」です。この傾向は、韓国や中国と比べても顕著です。その背景には複数の要因があります。まず、EVの初期購入価格は依然としてガソリンやディーゼルを燃料とするエンジン車よりも大幅に高く、手頃なモデルの選択肢も限られています。さらに金利の上昇により、ローンの利息負担が増え、所有コストも押し上げられています。
加えて、EVの保険料はエンジン車よりも30〜50%高いケースが多く、専門的な修理や高額なバッテリー交換が必要となる点が影響しています。また、電気料金が高い地域では、充電コストがガソリン車やディーゼル車の燃料コスト(走行距離あたり)を上回る場合もあります。このような状況に追い打ちをかけるかのように、政府による補助金の縮小や廃止が急速に進んだことで、EVは一般消費者にとってさらにハードルの高い存在となっています。
韓国では、価格の高さ以上に、充電インフラの不足や、地下駐車場でのバッテリー火災といった安全面への不安が主な障壁となっています。これらの実務的・心理的な懸念が、コスト負担以上に購買判断への影響を与えています。一方、中国では、走行可能距離や充電インフラの不十分さが、消費者にとって最大の懸念事項となっています。手頃な価格帯のモデルや政府の支援が存在する一方で、こうした機能面の課題がEVを敬遠する決定的な理由となっています。
このように、EV普及のボトルネックは地域ごとに異なります。世界的にEV普及を加速させるためには、それぞれの市場特性への的確な対応が求められます。
詳しくは Voice of Consumer: Mobility 2025 Key Insight を合わせてご覧ください。