
EV(電気自動車)は高価であるという認識が、すべての世代に共通する最大の導入障壁となっており、世界各地の市場動向に大きな影響を与えている。
西欧とオーストラリアでは、ベビーブーマー世代とX世代が、価格の高さを理由にEVを敬遠する傾向が最も強い。背景には、収入の伸びが見込みにくいことや、資産維持を重視する姿勢、そして補助金利用の機会を逸したことなどがある。一方、ミレニアル世代はコストを理由に購入を見送る割合が最も低く、各種制度を活用しながら、車両価格だけでなく総保有コスト全体を重視している。Z世代はその中間に位置するが、エントリーモデルの不足や保険料の負担といった課題に直面しており、価格感応度はミレニアル世代より高い一方で、上の世代ほどではない。
フランスでは、Z世代のEV購入拒否率が最も低い。これは、充実した政府支援策、都市中心のライフスタイル、そして公的機関への高い信頼感に支えられている。
これに対し、オーストラリアでは、Z世代の拒否率がX世代を上回っている。充電インフラの不足、高額な初期購入費用、政策の不透明感といった要因が、賃貸住宅で暮らすことの多い若年層により大きな影響を及ぼしているためだ。
こうした世代ごと、地域ごとの違いを理解することは、EVの普及を加速させ、市場に残るギャップを埋めようとする自動車メーカーや政策立案者にとって欠かせない視点となる。