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おもちゃ・ゲーム市場の最新動向:IPをフル活用し、オトナを取り込む

5/27/2024
Taro Yamato Profile Picture
Taro Yamato Bio
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世界のおもちゃ・ゲーム市場の売上は、インフレと経済の不透明性が続いているにもかかわらず、2022年の6%の急減から回復し、2023年から2028年にかけて3%の年平均成長率(CAGR)が予測されている。本記事では、コンピュータゲームが牽引する世界市場と、トレーディングカードゲーム(以下、TCG)が引き続き堅調な日本市場の動向を、調査アナリストの目線でそれぞれ深掘りしていく。

目次

定義

  • コンピュータゲーム:スマホゲーム、オンラインゲーム、ビデオゲームなど
  • おもちゃ:ガンプラ、トミカ、レゴ、TCGなど

 

世界市場のトレンド

コンピュータゲームが牽引

コンピュータゲームは、おもちゃ・ゲーム市場売上全体の3分の2を占める。この成長を後押ししているのはeSportsや、Twitchのようなストリーミングプラットフォーム人気の急上昇である。スマホゲームや、オンラインゲーム・サブスクリプション(定額サービス)は、その新規参入ハードルの低さから、さまざまなジャンルを手軽に探求することができる。

おもちゃ・ゲーム市場:地域別市場規模(2018-2028年)および年平均成長率予測(2023-2028年)

toys_and_games_market_sizes_and_forecast出所:ユーロモニターインターナショナル

おもちゃの成長を支える「キダルト」たち

コンピュータゲームが売上では優位に立つ一方で、おもちゃは予測期間中、緩やかな成長(CAGR 1%)が見込まれる。これらのおもちゃは、実際に手に取って楽しむことや社会的交流を促進するため、幼い子どもを持つ親や「キダルト」(一般的に子ども向けと思われるものが好きな大人)を魅了し続けている。

日本市場のトレンド

オトナもおもちゃ

ガンプラ、シルバニアファミリー、ポケモンカード。近年の国内おもちゃ市場を牽引しているのはオトナだ。少子化の中、この傾向は今後も変わらないだろう。

2023年に新登場したのはBEYBLADE X。2000年代初頭に流行したベイブレードを遊んでいた当時の男の子たちを狙いながらも、「老若男女や国籍を問わず遊べるスポーツ」というイメージ戦略を採用した。アニメ放送が始まり、現在の子どもたちも取り込んでいる。このように、過去のものを含めてIPを利活用していくのがトレンドだ。

Beybladex

出所:タカラトミー

資産化するTCG

ポケモンカード、遊戯王、デュエルマスターズ。これらTCG上位タイトルに2023年に食い込んだ新星が、ワンピースカードゲームだ。広く深いファン層を持つIPとしての強さを見せた。

近年のTCG市場の大成長の背景の一つが、TCGの資産化だ。トレカ専門店、ブックオフなどの中古取扱店、またはメルカリなどのC2Cアプリで、開封済みのカードが様々に値付けされている。転売ヤーがいるのはもちろん、古美術品のような扱いにすらなっているという。

カードの“裏面”

おもちゃ全体からTCGを除外した「純玩具」という概念がある。純玩具は近年、インフレで起きた値上げ程度の成長しかできていない。2023年に象徴的だったのは、抱き人形・ぽぽちゃんの生産終了だ。メーカーであるピープルは、代わりに「カテゴリーを新しく生み出すような」新事業に、リソースを充てるという。

このように、低収益のプロダクトを再生あるいは終了し、高収益の事業を創造・拡大する取り組みは、インフレと少子化の中、TCG以外でも成長するために、今後ますます必要になるだろう。

プレステ5、ようやく飛翔

2020年11月に発売して以来、プレイステーション5は半導体の供給難などで生産量が不十分だったが、2023年初頭から安定的に十分な供給が可能となった。2月には第二世代のVRヘッドセット、PlayStation VR2も発売され、ともに売り上げを伸ばした。

ps5

一方でNintendo Switchも、ピークの2020年からは落ちているとはいえ、コンソールゲーム機の7年目としては異例の勢いを維持した。次世代機(後継機)についても様々なうわさが飛び交っている。

スマホゲームの減速

スマホゲームは、新型コロナによる巣籠りと、ウマ娘プリティーダービーのスマッシュヒットに恵まれて2020~2021年に大きく成長したのち、2022~2023年は二年連続で縮小した。ロングセラータイトルを超えられないことで、開発への投資が回らないジレンマがある。

また、スマホで課金するエンタメコンテンツとして、マンガサービスも存在感を増している。入り口は無料だが、よりサービスに浸りたい場合は課金が必要という、F2P(Free to play)のゲームアプリと似た仕組みをとっているケースが多い。

盤石のIPホルダー

マリオやポケモンは、ゲームでもヒット作を飛ばし続けているが、IPの利活用という点でも業界をリードしている。Nintendo KYOTOやポケモンセンターシブヤ等のリアル店舗の他に、マリオは2021年、USJに登場し、2023年には映画もヒットした。

ポケモンは2023年、「朝起きることが楽しみになる」スマホゲーム、Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)を打ち出した。睡眠計測をするアプリは数あれど、巧みにエンタメ要素を取り入れながらユーザのウェルネス向上に貢献する本作は革新的だ。

まとめ

グローバル全体では今後5年間、ゲーム市場が成長を牽引し、おもちゃ市場も堅調に伸びる予測になっている。一方で、日本では今後5年間、TCGの勢いが続くであろうおもちゃ市場が、ゲーム市場よりも高い成長率を示す予測だ。

自社のIPをゲームの続編やおもちゃ・ゲーム外の領域にも展開するなど、縦横に活用することが、IPホルダーの基本戦略となる。近年でいえば、ちいかわやすみっコぐらしなどの外部IPとの、巧みでタイムリーなコラボレーションも活発に続くだろう。一方で、将来の成長の種となる新しいIPを生み、育成することも重要だ。

例えばタカラトミーは、2021年に発売してヒットした、指先の感触が独特な育成液晶玩具「ぷにるんず」の世界を2022年にアニメ化した。バンダイは、プリキュアシリーズのアニメにコスメショップ「Pretty Holic」を登場させ、同名のブランドで子ども用のコスメアイテムを展開する取り組みを2021年から続けている。

少子化が進む中、大人の需要もこれまで以上に巻き取りながら、おもちゃ・ゲーム市場は工夫を続けていくことになる。

 

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